そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

ロウフルイービルvsカオティックグッド

……みたいなものではないか。

はてな民には恥じらいが足りない -はてな匿名ダイアリー

http://anond.hatelabo.jp/20081128021114

件のYahoo!ブログだが、正直いってそんなに盛り上がる(盛り上げる)ことかね、とは思う。

だから、

この人の言っていることは明らかにおかしいが、それでも「そう感じること」を否定することはできない。少なくとも、それを否定する理由に「ネットの常識」を用いてはだめ。この場では論理の誤りを否定することにもあまり意味がない。「ブログってこういうもんだろうが」とか「文句あるなら出ていけ」という人は最低だ。

「変なことを言っている人がいるけど放っておこう」みたいに考えることは、僕もまあ同感。しかし、「『ネットの常識』を用いてはだめ」というのはどうだろうか。

Webは基本的に、「身内内でひっそり過ごそうとする世界」ではない(SNSが特殊なのだ)。*1

「知識」や「感覚」の押し付けはいくない。押し付けは私の嫌いだった学校の教師と同じ。押し付けてる人はあしき教育の呪縛から抜け出させてない。まだ若くて「俺ルールが常識と思いこんでいる人」の否定に「常識」を解くことの無意味さは異常。そういう「大人になればわかるさ」みたいな上から目線は許せない。むしろ、せっかく勇気を出して意見を言ってくれてるんだから、何がおかしいのか、じっくり考えさせられるようにしなきゃいけない。なぜ間違っているのかを教えるために、自分もよく考えなきゃいけない。

むしろ、WWWはアカデミックな世界が中心となって発達させてきた文化ではないのか。Web上の記事はみんな学術論文みたいなもの。どんな珍妙な説をとなえる学者だって、「言及・引用・批判禁止」なんてことは言わない。

はてな界隈には、Twitterやブログ、はてブなどを長いことやりすぎて、「自分をさらすことになれすぎてしまった人」「誰が見ていても気にならなくなった人」が多すぎる気がするのだけれど、自分たちが少数派であることは認識すべき。面識がない人に記事を見せることや、読者の顔が見えることは、普通の人にとっては怖いことなのだから。

僕はどちらかというと、彼らは自分たちの意見が少数派*2であることがわかっているからこそ、とにかくこういう「なんか一般受けしそう」な意見を早めに叩き潰しておこうと考えているのではないか、と思う。

身内ネタを外にさらせてしまう世界と、「公開ブックマークしないでー」という主張を真顔でする人がいるくらい、身内内でひっそり過ごそうとする世界と、どっちの方が異常なんだろうね。異常なもの同士仲良くすればいいのに。

果してWebで「住み分け」が可能なのか、それが良いことなのか、そこのところは僕も別稿でもう少し考察してみたい。これは初々しさ云々の話ではなく、公に意見を表明することについて、市民がどれほど覚悟を持つべきかという問題につながる。メディアたることの責任をどう考えるかという。

どっちが「ロウフルイービル」で、どっちが「カオティックグッド」と考えるか。それで、あなたのWebに対する認識がわかるのだ。

TRPGがわかんないと意味不明な例えですけど。


■12/1追記:

「考察してみたい」なんて書いたけど、ちょうどいい記事があったので便乗言及させていただきます。

geekと女の子的感覚の違い - ぼくはまちちゃん!(Hatena)

http://d.hatena.ne.jp/Hamachiya2/20081201/distance

僕自身、pixivというお絵かきサイトにおける僕の発言に関連して、恥じらいが足りない我々とそうでない人々との彼我の違いを肌身に感じているので、いずれ経緯をまとめた記事が書けると思います。

*1:僕も以前ネタでそういうことを言ったが、実際にそう考えているわけではないので誤解なきよう。

*2:いわゆる「一般人」の大量流入によって、そうなったということである。