そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

誰がうすらバカかを決めるのはあなたではない

去る10月30日から11月2日にかけて、はてな村で「うすらバカ競争」が開催された。僕は多忙につき参加しなかったが、なにしろお調子者ではあるので、自分の仕事も一連の騒動もひと段落したところで勝手にまとめようと思う。

うすらバカを目立たせるのがはてなブコメ

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081030/1225376346

まずこのようなエントリがあり、

この記事がブクマ100users行ったら「キングオブうすらバカ」を発表します

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081102/1225620016

著者がこんなことを言い出し、


最終的に、

キングオブうすらバカ

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081102/1225620016

という流れになったわけだが、


これを横目で見ていて、「この人はけっきょく出来レースをやっていたのでは」と思うしかなかった。引き合いに出された人のブックマークにもお邪魔したが、「これでキングかなぁ」と思った。あまりにも平和的なお芋のブログはそっとしておいた。


aureliano氏はもともとtororo-imo氏に何か含むところがあって「こいつこそキングオブうすらバカ」などと目をつけており、それを自分のかねがねの主張に絡めて記事にしたかっただけなのではないかとさえ思う。それで「うすらバカを目立たせるはてブ云々」と言ったらあんのじょう食いついてきた。よしよしチャンスだ! というような感じ(「件のエントリーにはブックマークがつくことはほとんどないだろうと予想していた」などという話はどうにも信じがたい)。

そもそも回りくどいことなどせず、「俺的キングオブうすらバカ決定!」とでも言えば良いものを、「ブックマークが100users行ったら」などとエクスキューズを入れるのはどうかと。これからあげつらおうとする人たちに協力を求めるというのも変な話ではないか。

それとも、こういう共同共謀正犯的馴れ合いが「はてな(村)」というものなのかな? なら確かに『村』社会的だね。(などというのも、こういう提案をしたからである→http://d.hatena.ne.jp/islecape/20081102


僕の記事を読んで「なに書いてんだこのうすらバカめ」と、ブックマークコメントを残す人もいるし、そのコメントを読んだ僕が「なに読み違えてんだこのうすらバカめ」と思ったりもする。でも、どちらがより「うすらバカ」かを判断するのは当事者である僕たちではなく、けっきょくそのやりとりを見ている別の人だと思う。ソーシャルブックマークは本来エントリ主のあずかり知らぬ空間であるが、だからといってブコメ主が絶対安全というわけでもない。発言をする以上、その知性が第三者から測られることとなるのは当然である。はてブユーザーにもそのくらいの覚悟はあるだろう。そういう場所なのだ。

では、第三者としてはそれらをどう読むべきか。もちろん変なコメントはいっぱいある。本文をよく読めと言いたくなるようなものとか、脈絡もなく罵詈雑言を浴びせているだけとか。しかし、それを見て「こいつうすらバカwww」などと思うのは早急だ(もちろんaureliano氏はtororo-imo氏のブックマークをこと細かに読んだようなので、これには当たらないだろうが)。あるところで変なコメントをつけているからといって、その人が全人格的に変とも限らない。うっかり肝心なところを読み飛ばしたのかもしれないし、はてブに傾注しすぎて徹夜で眠かったのかもしれないし、上司に怒られてちょっと機嫌が悪かったのかもしれないにんげんだもの。注意が必要だ。

個々のコメントに対して批判をすることはともかく、その人のブログまで晒して「うすらバカ」でひと絡げにしようとする今回の結末にはすっきりしないものがあった(Disり記事それ自体についてだが、改行もなしで感情的かつ一気呵成に書かれているふうなやりかたが修辞的にはあまりうまくないように思う。もっと上品にやるべきだろう)。


とはいえ、aureliano氏はこうも言っている。

このブログを書き始めた時に、ぼくは自分が道化師になる覚悟を決めました。道化師になって、アリーナに立つ覚悟を決めたのです。そうでないと、もうこれ以上は生きてはいけないと思ったからです。ぼくは道化師になって、客席に向かって自分をディスクローズする必要があったし、観客にコミットメントしていく必要があった。さらにはバカになって踊る必要があった。ぼくにはアリーナで踊る必要があったのです。もうこれ以上、人前で踊ることを躊躇うことはできませんでした。

(この記事がブクマ100users行ったら「キングオブうすらバカ」を発表します)

道化ですか。

覚悟する方向が間違っているような気はする。何もこんなところで踊らなくったってと思う。こんな人口1000人(らしい)ていどの『ムラ』の中で。

でもそれが彼の決めたことなら、他人がとやかく言うことはできない。それに何ごとも経験なのだから、やらずにする後悔よりは、やってから後悔するほうがより建設的だ。


ところで、「キングも出たし、これからは『はてな王国』だな!」みたいなことを言ってる人もいましたよ。いいのかそれで。



おまけ:

関連して、こんなエントリもあった。

IDを指定した「キングオブうすらバカ」言及は名誉毀損になるのだろうか? - 脳内新聞

http://d.hatena.ne.jp/p_wiz/20081103/p1

僕も素人なのであまり大したことは言えないが、個人を識別できるWeb上のハンドル(ID)が名誉毀損の客体となるのかどうか。ぱっと調べた限りでは、こんな感じ。

インターネット上の名誉毀損における当事者の匿名性をめぐる問題

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/03-6/wada.pdf

Web上にtororo-imo氏を特定する情報はあるだろうか? こういう件に関してまだ判例はなかったよなーと思うのだが、僕が知らないだけかもしれない。ご存じの方はご教授ください(将来的にはハンドルも保護対象になると思うけど)。

あと、名誉毀損には成立阻却要件があって、これもお手軽にぱぱっと引用すると、

1. 公共の利害に関する事実に係ること(公共性)
2. その目的が公益を図ることにある(公益性)
3. 事実の真否を判断し、真実であることの証明がある(真実性)

名誉毀損 - フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』)

とある。

これらに準じたものであればセーフということになるだろうが、今回の件について、僕はどれも満たされていないと思う。

今のところtororo-imo氏には訴えるつもりがないようだし、そんなことしたらお互い消耗戦もいいところだ。そもそも『はてなムラ』の恥を全国に晒すだけじゃん、とも思う。やめるのじゃやめるのじゃ。

そこを「いいぞもっとやれ」とか言いだす人がいるかもしれない。どちらかといえば、そういう人のほうが「うすらバカ」という語感にふさわしいと思うのだが。



さらにおまけ:

僕が今回もっとも評価したいのは次のエントリである。

id:tororo-imoさんはツンデレなんだよ!! - 革命的非モテ同盟

http://d.hatena.ne.jp/furukatsu/20081102/1225640187

うーん。素晴らしい。しかもタイトルを引用したらIDコールになってしまうという罠。



11月12日追記:

短気な増田のためのはてブコメントの3つのチェックポイント - はてな匿名ダイアリー

http://anond.hatelabo.jp/20081011233345

おっといけない。先を越されてた。この意見には僕も賛成です。

というか、何ですかこの文章のかぶり方。お友達になれそう。もちろん僕はこの増田さんとは別人ですよ。「にんげんだもの」を「人間だもの」と書いている時点で別人だとご理解いただけることでしょう。