そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

コミケの話、といっても参加した話ではない。というのも僕はビッグサイトに行ったことがないもので

「確かにあんたの絵は上手いけど、コミケで同人やっても相手にされないよ」

中学のころ、コミケ通いしていた(らしい)女子にそう言われて困惑した。コミケ? なに?

同人というと、歴史的には「白樺」とか、あるいは近所の俳句の寄り合いとか、そんな認識だった。漫画やアニメの二次創作がどうとかこうとか、そのころの僕は、そういったことはまるで知らなかった(余談だが、のち『あさりちゃん』の単行本で知った。浜野あさりはやおい同人誌を読んでたりするのだがいいのかねアレは*1)。

僕は学年で三番目くらいに絵が描けた*2 *3。学年でもっとも絵が上手かったのは以前のエントリの冒頭で触れたイラスト描き。現在プロの漫画家だが、中学当時からレベルが違った。プロ以上だった。一方の僕はあくまでも中学レベル。平均よりはマシという程度で、とても比較対象にならない(「彼の次の次に絵が上手かった」なんて、とても言えない)。彼をZ戦士とすると、僕はミスターサタン以下、せいぜいプーアルとかウーロンくらいか。正直いまの僕より、中学のころの彼のほうが上手いくらいだ。

冒頭の話に戻るが、別に自分の絵を鼻にかけていたつもりはないのに(なにしろすぐ側に天才がいるのだから)、それでそんなふうに言われたというのは、もしかして「絵が描ける」ということに対するある種の嫉みだったのだろうか……と、今となっては(ちょっと失礼なことを)思ったりなんかするのだが、当時は「井の中の蛙」みたいに言われ、意味はわからないなりになんとなく誇りを傷つけられたような気はした。

あれ以降、なんとなく「コミックマーケット」という存在が心理的な鬼門になっている。それゆえか一般参加すらしたこともないのだ。


まあ「『コミケ』やない、『コミケット』や」と運営が思っているらしいのは知ってます。

*1:cf. あさりちゃん (第42巻) (てんとう虫コミックス) 43頁

*2:もっとも、画力の巧拙は厳密に序列化できるわけではない。僕自身はそのころキュビズムもどきな絵描きを気取っていたし。

*3:また、ここでいう「絵」は、マンガチックなイラストの話。