そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

鳥の悲劇(承前B)

前段 http://d.hatena.ne.jp/islecape/20090118/p7

風力発電といえば、鳥のみが迷惑を被っているだけではなく、低周波音障害とかいうものもあるとか。周辺に住んでいる人が、回転する風車から発せられる、可聴領域から外れた超音波に悩まされる……というようなことが。

風力発電システムの考案者も、まさか風車にむざむざ鳥が激突したり、風車の目に見えない力が近隣住人を悩ませたりするなどとは考えなかっただろう。……もし風力発電が、すべての風力を環境から奪ったとしたら、いったい大気の循環はどうなるのだろうか。個人が右往左往するように、社会もまたトライアンドエラーを繰り返している。

話はずれるが、『シムシティ』という都市計画シミュレーションゲームがあることは、わざわざ説明するまでもないだろう。僕が子どものころちょっと流行っていた。町のど真ん中に原発を置いたのは、『東京に原発を!』に影響を受けた、微笑ましい反権威的無邪気さの発露として笑い話に供するのみだが、自分の美意識に従った都市計画では、どうしても人口50000〜70000人程度の町しかマネジメントできないことに気付かされたものである*1

オリジナルの『SimCity』はクラスメートからスーパーファミコン版を借りたのだが、続編の『SimCity2000』は、Macintosh版(2HDディスク2枚組)を買った。そこで太陽光・水力・風力発電を組み合わせたクリーン都市を設計したのは、それなりの善意のつもりだったのだが、風力発電設備のごく近くに低密度住宅区画を整備したのは、無知とはいえ気の毒なことをしたものだと思う*2


*1:あちら立てればこちらが立たず、という行政のジレンマを感じさせる点で、教育的にもそれなりに優れているのではないかと思う。

*2:もっとも、シミュレーションの要素として「低周波音障害」はないのだけれども。