鳥の悲劇(承前A)
前段 http://d.hatena.ne.jp/islecape/20090118/p7
鳥にとっては、環境そのものも、環境をねじ曲げる人間が作り上げる人工環境も、等しく外的要因にすぎない。(人間の活動ゆえではないかと目される)地球温暖化を、地震や津波や火山の噴火がもたらす環境変異や、あるいはいつか再び起こりうる隕石の墜落によって成層圏まで巻き上げられた細かな岩石の引き起こすであろう地球の寒冷化などと正しく峻別した鳥どもが、ヒッチコックの映画よろしく一致団結して人類の排除を考える……などというようなことはちょっと考えられないし。
結局のところ、鳥はいまだ環境に左右されるような存在であり、人間は自ら環境を左右しようとしながらいまいちうまくいってない存在である、というわけだ。いかなる環境変異であろうと、その不測の事態に対応できない鳥が滅ぶのもひとつの必然か。現時点で一大権勢を誇っている人間にうまく取り入ることができれば、生き残れるということだろうが。パンダなんか、放っておけば滅亡間違いなしの生物だが、あの、目の周りの黒い大きな模様に代表されるツートンカラーがよほど人間のお気に召したようで、かえって蝶よ花よという具合になったのだから、世の中わからない。
もっとも、人間の王権の限りもずいぶん怪しい。「人類以降」を見据えるべきかどうか、鳥からすれば悩みどころだ。自力で宇宙進出ができればいいが、人間がいるうちは難しかろう。
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http://d.hatena.ne.jp/islecape/20091130/p1