そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

ミーハーな読書

新聞のテレビ欄を見たら、WOWOWで『13F』を放映するとあった(が、契約していないため見られない)ので、急に原作の『模造世界』を読みたくなり、本棚から引っ張り出した。ずっと以前に買ってそのまま放置していた。何か話題になるとすぐ飛びつく、というような風潮をあざ笑っていても、けっきょく同じことをしているので対等だ。

模造世界 (創元SF文庫)

模造世界 (創元SF文庫)

内容ですか。普通に面白かったとしか。SFミステリと銘打ってはいるが、おそらくSFの作法を知っている人からすれば、ミステリというよりサスペンスという感じだろう。

巻末解説の尾之上浩司氏は本作を『タウ・ゼロ』や『時間衝突』のような「きっかけを失ったまま、置き去りにされた不幸な」作品と位置づけている。僕はこれらの作品が書かれた時代を知らないので、どれも古くさオールタイム的だなあ、というふうに感じている*1。本作についていえば、あくまでも娯楽作品なので、風刺性がたりないというか、「もう少しスパイスを利かせることができたんじゃないか、ちょっと物足りないなあ」というふうに思った。

*1:『模造世界』を読んでなんとなく『夏への扉』を思い出したのはどうしてだろうか。そして、『夏への扉』がいまいち面白くなかった繋がりで『ハイペリオン』も思い出した。誰かが、歳をとってから読むべきだとか言っていたなあ。