ミーハーな読書
新聞のテレビ欄を見たら、WOWOWで『13F』を放映するとあった(が、契約していないため見られない)ので、急に原作の『模造世界』を読みたくなり、本棚から引っ張り出した。ずっと以前に買ってそのまま放置していた。何か話題になるとすぐ飛びつく、というような風潮をあざ笑っていても、けっきょく同じことをしているので対等だ。
- 作者: ダニエル・F.ガロイ,Daniel F. Galouye,中村融
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2000/01
- メディア: 文庫
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内容ですか。普通に面白かったとしか。SFミステリと銘打ってはいるが、おそらくSFの作法を知っている人からすれば、ミステリというよりサスペンスという感じだろう。
巻末解説の尾之上浩司氏は本作を『タウ・ゼロ』や『時間衝突』のような「きっかけを失ったまま、置き去りにされた不幸な」作品と位置づけている。僕はこれらの作品が書かれた時代を知らないので、どれも古くさオールタイム的だなあ、というふうに感じている*1。本作についていえば、あくまでも娯楽作品なので、風刺性がたりないというか、「もう少しスパイスを利かせることができたんじゃないか、ちょっと物足りないなあ」というふうに思った。