そこにいるか

個人的な体験、その他の雑感

記憶するものたち

ある店では、4GBのUSBメモリが1000円だった。このあいだ「2GB1000円か」、ちょっと前は「1GB1000円か」とためつすがめつしたのが昨日のことのようだ。さらにさかのぼれば、「256MBが」「32MBが」と、いくらでも懐古できるけど。

4GB。10年前なら、PCのメインストレージほどもある容量だ。初代iMacボンダイブルー)がそれくらいじゃなかったか。もうHDDは1TB時代なんだよなあ。モデム時代が長かったため、映像や音楽をダウンロードする習慣のない僕は160GBのHDDすら持て余しぎみ。もうこれからはHDDなんかやめてSSDのようなメモリストレージメインでもいいんじゃないかとさえ思っている。ハードディスクうるさいし。

思い返せば、我が家の初代コンピューターはハードディスクを持たず、フロッピー2枚(システムディスクと記録用ディスク?)で動いていた。使われる単位が1MBかそこらの時代だ*1。早めにMOを導入し、それ以降「データが溢れて困る」という現象に悩まされることはなくなった*2

いま、周囲につきあわされる形で買った2HDフロッピーを余らせている。また、MOもCD-Rの登場でさっぱり使わなくなった*3。そしてMB単位のUSBメモリやSDカードも使いでなく放置されがち。

これら「データの器」たるストレージの記録能力を考えると、ただ遊ばせておくのはあまりにももったいないと思う。無駄に余らせているデジタル記憶領域を有効活用する方法はないものだろうかと思う(コンピューターの余った処理能力でSETI、みたいな感じで)。蔵書の8割がたをテキストデータに還元したとしても、せいぜいSDカード一枚分だよなあ、と、満杯の本棚を見て溜息。

現実に存在するマテリアルをこれらのストレージに収納できたらどんなにスッキリするだろう――なんて考えたって仕方ない。ぱぱっと読んで売り払うか……。


※2009.3.23追記:
新聞を見ていたら、オンラインPCショップの広告でUSBメモリ128MB10円」などとあった(限定1000個)。耳目を集めるためのオープニングセールとはいえ、メディア原価300円くらいでも「同人CG集をメモリストレージで頒布」というようなことができるだろうなあ、と思った(バルクSDカード2GBは349円だった)。

さらに、同じ広告には512MBデジタルオーディオプレーヤー499円ともある。ボーカロイドに歌わせた曲を収録して……というようなこととかできそうじゃないか。もちろん、これらの媒体は原材料コストと製造コストが問題なのであって(1GBメモリと2GBメモリの場合、容量が半分だから生産にかかる費用が半分になるわけではない。というかほとんど変わらない)、そうそううまくはいかないだろうけど。

個人的に好きなのはPC-EngineのHuカードだ。印刷領域も確保されているし、なんとなくコレクション性もある(ような気がする)。SDカードだと小さすぎてねえ。そのうち米粒大のメモリになったら分類するのもひと苦労だろうなあ(それはないか)。せめてパーソナル用ストレージはキャッシュカード/テレホンカードサイズくらいでとどまってくれればよかったのに、とは思っている。

*1:1MBあればなんだってできる、などと喜んだプログラマがいたそうだが、さすがにちょっと厳しいと思う。

*2:レイヤー数十枚を使って絵を描くのがせいぜいの僕からすれば、記憶容量も完全なオーバースペックだ。

*3:かつてスティーブ・ジョブスが「HDDに取ってかわる」とかなんとか賞揚していたらしいが。