銀の市民になりました
2008年の春のことだった。戯れに自分の名前をGoogleで検索してみたら、ずらっと地名が並んだ。それだけなら別に何の問題もないのだが、ページをいくつか繰ったら出会い系サイト（らしきもの）が表示されたではないか。そこに僕の名前があった。
最初は「誰かが嫌がらせで僕の名前を使ったのだろうか」と思った。よく見ると、それは誰かのハンドルネームだった。僕の「名字」と同じハンドルと、僕の「名前」と同じハンドルが、たまたま隣り合って表記されていたのだった。珍しい偶然、うれしくない偶然だ。
もちろんあまりいい気分ではなかった。粗忽な人が僕とこのサイトを結びつけてしまうかもしれない。僕はその日のうちにブログ比較サイトをめぐり、ためらうことなく本名でブログを始めた。ブログを僕の名前で埋めつくせば、検索結果は僕のブログ（とその関連項目）で埋めつくされる。そのサイトは覆い隠される。
しかし様子を見ているうち、件のサイトはほどなく消滅し、僕の本名での検索結果からも外れた。それでけっきょく宙に浮いた本名ブログは閉鎖したが、僕の名字をむりやり英語化したログインネーム"islecape"は（その８文字でGmailアカウントも取得していたため）引き続き使うことにした。そういうわけで、僕は自分では準本名ブロガーだと思っている。
他のブログサービスを試しつつ、各種のサービスが一揃しているはてなに移住して数カ月。そのあいだ、いろいろ書きつらねてきた。僕の本名での検索結果はあいかわらず地名が並んでいる。その一方、
もはやコントロール不能なまでに拡散している。最初は２ページ、十数件程度だったのに（つまり、本名で書き続けていたらこうなっていたわけだ……*2）。この100日ぶんのエントリ*3には、10年パスポートくらいの効果はあるのではないかと思う。あちこちトラックバックも送ってしまったし、今さら閉鎖するわけにもいかない。つまり、ここが母港になっている。半匿名の僕がこれからWebで活動していくにあたって、もしひとたび無責任なことをすれば恥をかく根拠に。
